三階建ての家を建てるなら間取りにこだわろう
住宅が密集して地価の高い都市部に家を建てようとすると、小さい土地に狭小住宅が一般的になってしまいます。しかし、二階建てには満足できない方もおり、そういう方を中心に人気があるのが三階建ての家です。三階建てに限らず、住宅の良し悪しを決めるのは間取りです。特に三階建ての場合、縦の空間を利用できる分、間取りによって住み心地が大きく違ってきます。
そこで、三階建てを建てるとき、間取りのどんなところにこだわると良いのかを紹介します。
目次
素敵な三階建ての生活
将来的なことも考えて間取りを
各階の間取りを考えていく
駐車スペースを確保することは可能?
狭小でも安心、家族の意向が反映された魅力ある三階建て住宅
高さを活かした三階建て住宅で平均以上に幸せな暮らしに
高さの平均は土地の区分次第
理想の三階建てを良い工務店で実現しよう

まず、間取りを考えるときには、細部を決める前に、部屋や空間を建物内のどこに配置していくかを考えます。
それぞれの用途や役割によって場所を決めるのですが、そのときに家事動線も合わせて考えていきます。
三階建ては上下階への移動が多いので、部屋や空間の配置は大変重要なポイントになります。
部屋や空間の配置は、まずは家族が一番長く過ごす場所から優先的に考えていきます。リビングやダイニングなど家族が長い時間過ごす空間は、条件の良い場所に配置します。近隣に建物が密集している都市部では、一階では通風採光があまり望めないため二階部分に配置することが多くなります。
リビングの配置が決まったら次は水回りを決めます。
基本的には、掃除や洗濯などの家事動線を考えて浴室や洗面所などの水回りは一階に配置されることが多くなっています。しかし、キッチンは出来上がった料理をダイニングに出したり、食器類を片付けたりするので、家事動線を考えると二階が最適な配置になります。
一階にガレージを作ると、買い物してきたものを、楽に二階のキッチンへ運ぶことができます。一階にはガレージの他に収納スペースや玄関を作ることもできます。
そして、三階は最も日当たりや風通しが良いので寝室や子ども部屋などを配置します。リビングを三階に配置する方もいますが、階段の上り下りの導線を考えると高齢者がいる場合などは採用しにくくなります。
このように三階建ては間取りの自由度がグッと高くなり、縦の空間を上手に利用することで変化のある魅力的な家を作ることができます。
素敵な三階建ての生活

三階建ての家の魅力は、何と言っても狭い土地を有効に活用できることです。床面積を縦に広げ、大きな床面積を作り出しています。住宅は、床面積が広がるほど資産価値が高まりますが、少しでも資産価値を上げておくことで将来のメリットにもなります。
一階を店舗と事務所、二階と三階を住居としたり、一階を親世帯、二階と三階を子世帯の二世帯住宅にしたりと、各階それぞれ目的を持った使い方ができる魅力もあります。
三階建ては、狭い土地でもガレージ付きの家が建てられますし、床面積とともに壁の面積も増えるので、窓を有効に配置することで眺望が良くなり光も取り入れやすくなります。
そして、三階建ては屋根の部分をフラットにして屋上として使うことができ、洗濯物を干すスペースやバルコニーとして食事やお茶を楽しむこともできます。防水処理を施せばちょっとした庭を造るスペースにもなります。
加えて、さまざまな工夫を凝らすことで収納スペースを確保することも可能です。
階上タイプの収納は、もしもの時のために防災グッズの備蓄倉庫として使えますし、半地下タイプの収納は、開口部が大きく大人でも楽に出入りできるため、物の出し入れが簡単に行えます。

実際に階段のスペースをしっかりととらなければならず、オープンなかたちにすることもできますが、一直線に作らなければいけないことも考慮しなければいけません。
直通階段ということになりますが、設計上区別して考えると、各階に上がる階段ができあがります。三階建てですので2つの階段ができあがることになりますが、これが連続しており直通できるということが建築基準法の条件のひとつです。判断基準があいまいなところもありますが、スペースとして考えておかなければいけない点といえるでしょう。
将来的なことも考えて間取りを

三階建ての階段ということでは、今現状は平気でも、将来使い勝手に問題は出ないのかということを考えておかなければいけません。
年齢を重ねると、階段を上がり降りするのはつらくなっていきます。足腰が弱くなっていくのは、だれでも致し方のないことだからです。ホームエレベーターも安くなりましたので、取り付けるということも考えられますが、それでも出費は増えることになるでしょう。メンテナンスも考えなければいけません。

そこで、間取り自体を考えておくということも重要になってきます。三階に上がるのがつらくなるのであれば、一階を居間にできるようにしておけばいいということです。現在は違ったとしても、そうできるように考えておけば、将来対応させることができるようになります。
寝室だけでも移せるようにするというだけで違いが出るでしょう。間取りの設計段階で計画をしておかないと、将来使いにくくなることも出てきます。生活空間を一階にできるように設備も考えておけば、不安もなくなってくるはずです。せっかく大きなスペースを取ろうと考えているのですから、長く利用できるように検討しておくことが必要といえます。

設計の段階でこれがベストであるということはありません。あくまでも、生活ということを考えて設計は導き出してくるものになるため、どんな形を目指すのか、将来像も含めて検討することが必要です。
各階の間取りを考えていく

各階の間取りを考えていくことが必要ですが、それぞれ考えるべき性格が異なります。
一階は、階段の上り下りがありません。高齢になって使うことが向いているスペースといえる部分ですが、構造的にどうしても日当たりが落ちます。風通しも悪くなるため、居住スペースとしては不向きな部分があることも理解しておかなければいけません。そのため、倉庫やガレージ、会社事務所などとして使うこともあります。
二階は日当たりも風通しも一階に勝るといえるでしょう。上下階をつないでいる部分でもあることから、リビングとして使うと便利といえます。すべてリビングに使ってしまうといった極端な使い方もできるでしょう。他の階にリビングに関する設備をつけないようにすることで、シンプルに作っていくこともできるようになります。二階ということで、明かりもとりやすくなるというところも利点です。

三階は最上階ということで、日当たりが良く風も最も強くなります。窓を開ければ、換気も簡単にできるでしょう。その代わりに、温度が最も上がりやすく夏場は暑くなりやすい欠点を持っています。室内の階段に扉が無いような場合には、一階で冷房をつけると、熱風が三階に上がってしまうようなことも起きるため、注意が必要でしょう。住居スペースに使わず、プライベートなスペースを生かして趣味の空間にしたりするのも方法です。アレンジもしやすいスペースとはなりますが、注意点も多い階といえます。
三階建てにするというのは、スペースの有効活用に間違いありません。ですが、階段の問題を含め、間取り次第で使い勝手が大きく変化してしまいます。専門の知識を持つ人たちとともに検討することが重要であり、短期的に考えるのではなく、長期的な視野を持って対応していくことが必要でしょう。できるだけ多くの物件を手掛けているところであれば、経験も豊富ですので、住みやすく使い勝手のいい三階建てを作り出すことができるでしょう。
持っている土地が狭くて新しく住宅を建築したいけれど、この狭さでは無理かなと考えている方もいれば、住宅を建設したいけれど周囲の土地が高い、でも田舎に行けば子どもたちの学校の心配などもあり、家を建てることができずにいるという方もいるでしょう。
住宅を建設するということは大きな費用がかかるものですし、土地を購入する際にも通勤通学のことや、費用などの問題が出てきます。
狭い土地だと十分な広さを持つことができず、家族全員が納得して暮らすことができないと考える人も多くいます。夫婦二人ということなら狭くてもそれほど、広さや部屋数なども必要ないのでまだ何とかなる、でも子どもがいるとなれば子どもの数の部屋は確保してあげたいなど、家族構成によって家を建てるため解決しなければならないことは多くなります。

しかし住宅と住宅の狭間で奥が広いけれど横幅がないという場合や、道路の形状によって三角形に近いような土地等、家を建築するためには難ありという土地は、価格を見るとその周囲の相場と比較してかなり低いということに気が付くでしょう。
周囲に買い物のスポットがあり、商店街もある、病院や子どもの学校も近く、通勤するのにも楽…という場合、土地として非常に魅力があります。しかし形が、面積が、と思う時、狭小住宅の建築実績が高い業者さんに相談してみると、なるほど、こうした造りにすればいいのかと感心するほど、たくさんのアイデアを出してくれます。
日本はもともと面積が狭い国ですし、地域によっては人口密集地でかなり狭い住宅が多い地域も少なくありません。狭い土地でも設計を工夫したり三階建てにしたりすることで、かえって魅力的な住宅になることもあります。
駐車スペースを確保することは可能?

家を建てる時には、やはり家を建てる方の夢がありますし、こういう風にしたい、家族の要望を叶えてあげたい等、住宅づくりにもこだわりが出てきます。人生の中で最も高いお買い物となる家づくりですから、まずは狭小でも実績がある業者に相談をしてみましょう。
納得のいく住宅にしたいと考えるのも当然です。
今まで賃貸物件で駐車場付きだったという方が家を建てる場合、ガレージなどが欲しくなりますが、そうなるとどうしても広い敷地が必要になる、でも予算的に難しかったり、建築を希望する地域にそういった土地がないという場合もあります。もちろん保有している土地が狭くてとてもガレージを作れないということもあるでしょう。
しかし三階建てにすれば、一階をガレージにして二階をリビングとして考えることができます。
ガレージの上に収納できるようにスペースを作ったり、半地下に趣味の部屋を作るということも可能なので、上に伸ばすということを考えれば、駐車スペースもしっかり確保できます。狭くても奥行きがあるという土地に建設するなら、駐車スペースの一階部分の奥に趣味の部屋、また車用具を置く部屋を作ることもできますし、子どもたちの自転車を置く場所とすることもできます。
土地が狭いからと車を置くスペースを諦めて別に駐車場を探せばそれだけ日頃から費用がかかってきますし、都市部では駐車場の月額料金がとんでもなく高いところもあるので、やはり工夫して住宅建築する場所に車の駐車スペースを設ける方がいいでしょう。ガレージの上に収納部分を作れば、避難グッズや防災グッズ、いざという時の食糧庫としても利用でき、災害を考慮した住宅づくりもできます。
狭小でも安心、家族の意向が反映された魅力ある三階建て住宅

二階にリビングという造りは元々日本では少ないのですが、現在は一階にお風呂や駐車スペースを設けて、子どもたちが泥だらけで帰宅しても、リビングなどを通ることなくそのままお風呂場に直行できるなど、まずは狭小でも実績がある業者に相談をしてみましょう。工夫を凝らした造りにしている住宅も少なくありません。
狭小住宅の場合も、一階にお風呂、駐車スペース、半地下に趣味の部屋、二階にリビング、洗濯機置き場は二階にして、三階に各自の部屋とそれにバルコニーなどを設けると、二階で洗濯を済ませて一階だけ上がってバルコニーに行き洗濯物を干せます。
もちろん二階に部分にもバルコニーを設ける設計にすれば、階段を上ることなく洗濯物を干せます。夫婦2人というご家族やお子さんが1人というご家族なら、二階にリビングとご両親の寝室、三階に子ども部屋と広めのルーフバルコニーという造りも素敵です。ルーフバルコニーが広いと夏場はそこで食事をしたり、お子さんが小さい時なら水遊び、ミニプールを楽しむこともできるでしょう。
駐車スペースの上を有効活用して、倉庫として利用してもいいですし、防音設備を施してピアノを置いたり、オーディオセットを置いて音楽を楽しんだり、またシアター風にして映画を楽しんだりする部屋にしても良いでしょう。
最初にどういう空間が欲しいのか、家族全員の意見を聞いてみましょう。それを業者に確認してもらい、設計で工夫してもらえば理想的な我が家に近づけることが可能です。三階建ての建築に慣れている業者、狭小住宅の知識を持っている業者なら、家族の意向をしっかり考えた個性豊かな住宅づくりをサポートしてくれます。

高さを活かした三階建て住宅で平均以上に幸せな暮らしに
新居を新しく建てるとき、階数の設定は数ある悩みどころの一つです。平屋にするか二階建てにするかで悩む場合が多いでしょうが、近年では三階建てという選択肢もあります。
広い床面積を確保できる機能性から、あまり広さに余裕が無い土地に住宅を建てるのに適している構造です。
また、単純に床面積が広くなって便利というだけではなく、いろいろな機能性が付加されることも見逃せません。もっとも分かりやすい例が、車庫付きの住宅にできることではないでしょうか。
土地が広ければなんの問題もなく作ることができますが、都心の限られた土地面積では、住宅の敷地に車を停めておくというのはかなり贅沢なことです。不便であっても、しかたなく、離れたところに駐車場を借りるというのが現実的な選択肢でしょう。ところが、三階建ての住宅を建てるのであれば、一階部分を車庫にすることができます。
それだけではありません。一階を車庫にした場合、半地下に大きな収納スペースを設けたり、車庫の上部に倉庫を作りつけたりすることも可能となってきます。このスペースには、日常的にはあまり使わないけれども、家に置いておきたいものをしまっておくことができます。例えば、非常用の防災グッズや備蓄食料、水などに最適でしょう。
また、暮らし方を三分割して構成し直すことによって、家事動線などをより良いものに変えることもできるでしょう。
例えば、駐車場と風呂を一階にして、洗濯機を二階に配置し、屋上バルコニーに洗濯干し場を作れば、洗濯を干すのに、一階から三階まで階段を上らなくてはならない、などということにはならなくなります。
他にも、外観が個性的になりユニークなデザインの家にできること、天井を高くしたり、高いところに窓を取り付けられるなど、平均的な住宅とは異なる、三階建てならではのさまざまな利点があります。

高さの平均は土地の区分次第

建築基準法などに基づく住宅の構造に関わる決まりは、外観に関わるような主たる物だけを挙げたとしても多岐にわたります。
例えば建物の大きさの上限は、その土地によって定められています。平均的な三階建て住宅の高さが同じくらいになるのは、この数々の規定のせいでしょう。建物用地として使える割合を表す建ぺい率と、建物の延べ床面積を表す容積率の二つです。それぞれ施設や設備の内容などによって条件の緩和や、その部分の免除が行われる場合もあります。
他にもその土地の都市計画法による区分によって変わりますが、工業専用地域、商業地域などの特定の区分であったり、条例によって除外されていなければ日影規制が存在します。
第一種住居地域などの多くの土地において建物の高さが10メートルを超過すると適応対象になるため、三階建てなどの通常よりも背が高い建物は平均して10メートルを超えないように設計される場合が多くなっています。ただし第一種、第二種低層住居専用地域だと三階建てがそもそも日影規制の対象になってしまうため、注意が必要です。
また斜線制限もあります。特定の条件で建物の近くから斜線を設定し、建物はその斜線をまたぐほど高くしてはいけないという制限です。
例として近くに通っている道路の明るさなどを保つための道路斜線制限や、隣地の日照保護を目的とした北側斜線制限、隣地斜線制限が挙げられます。
道路斜線制限ではその道路における、建物付近と反対側にある端から斜線を設定します。
北側斜線制限、隣地斜線制限では隣地境界線上の、土地ごとに設定された高さにある場所が始点です。
これらの斜線制限は、場合によっては条件が緩和されることもあるので、住宅を建てる際に条件を確認してみることをおすすめします。他にも耐力壁の使用など幾つか制限はありますが、どれも三階建ての住宅を建てるには必要な配慮です。
以上のような条件を確実にクリアするためには、三階建て住宅を得意とする工務店に依頼するのが、間違いないでしょう。

理想の三階建てを良い工務店で実現しよう
三階建て住宅というのは、平均的な一戸建て住宅と比べて、まだまだ一般的とは言えない形態のものです。ということは、工務店によって、三階建て住宅の建設を手掛けた経験に差があるということになります。不慣れな工務店を避け、経験を積んだ工務店に頼めば、十分に満足のいく仕上がりになるものです。
三階建てのメリットを最大限に活かすためにも、工務店の吟味に力を入れましょう。
さらに、そのような経験ある工務店の中には、三階建て住宅のモデルハウスを展示しているところもあるので、まずは見学に行き、その良さ、特徴、工務店がどんなことを得意としているかを研究してみるようにしましょう。敷地面積、床面積、坪単価なども具体的に実感できることでしょう。図面や写真からではわからない、生活の様子をつかめば、自分の未来の生活をデザインする助けになるでしょうし、新しい家での夢が広がっていきます。
その上で、工務店の担当者と打ち合わせをして、自分の希望を伝え、それにどのように応えてもらえそうかという感触を得ることが、三階建ての家づくりの第一歩となります。
