ファミリークローゼットとは?注文住宅でつくる5つのポイントを解説

「収納力の確保が課題」という家庭にとって、ファミリークローゼットは非常に魅力的です。設置によって「家事効率が上がる」「部屋がすっきりする」などといわれますが、実際のところどのようなメリットがあるのでしょうか?
本記事では、ファミリークローゼットの概要やメリット、さらには注文住宅でファミリークローゼットを設置するときのポイント・間取り例を紹介します。
収納スペースは、家を建ててから確保しようとしても簡単ではありません。ファミリークローゼットを設置して、収納の悩みから解放されましょう。
ファミリークローゼットは家族みんなの収納
ファミリークローゼットは、住みやすい家を求める家庭からの人気が特に高い設備です。具体的にどのような物なのか、概要や種類を紹介します。
1. 家族みんなの物をひとまとめに収納できる場所

ファミリークローゼットとは、家族みんなの物をひとまとめにして収納できる場所のことです。近年は新築住宅に人気の設備、収納空間の1つとなっており、注文住宅の間取り計画に取り入れる家庭が少なくありません。
ママ友や知り合いが「ファミリークローゼットをつくった」と聞いたり、雑誌やSNSですてきなファミリークローゼットを見たりして、「我が家も」と考える人も多いでしょう。
ファミリークローゼットは文字通り「クローゼット」ですが、使い方に決まりはありません。「衣類だけを置く」「小物類も全て収納する」というケースの他、クローゼット内で着替えまで行う家庭もあります。
使い方は家庭のニーズ・家族構成によって自由に決められるため、単なるクローゼット以上に有益なスペースとなるでしょう。
2. 主にウォークインタイプとウォークスルー体部がある
ファミリークローゼットには、1つの部屋として使うタイプ・通路のように通り抜けるタイプがあります。家の間取りや広さ・設置場所によって最適なタイプは異なるため、それぞれの特徴について理解しておきましょう。
ウォークインタイプ

ウォークインタイプは、「入って使うクローゼット」です。出入り口は1カ所で、1つの部屋・スペースとのみ連結できます。収納力・密閉性が高いのが特徴で、着替えまで行いたい家庭におすすめです。
クローゼットの形状としては、I型・Ⅱ型・L型・U型があります。
ウォークスルータイプ
ウォークスルータイプは、「通り抜けられるクローゼット」です。出入り口は2カ所ありますが、扉はありません。丸1部屋をクローゼットとして確保する必要がないため、床面積が小さめの家でも設置しやすいでしょう。
通路がクローゼットになるため回遊性には優れますが、収納力ではウォークインタイプに劣ります。視線を遮る物も少ないため、一から服を着替えたり見られたくない物を置いたりするのには抵抗を感じるかもしれません。
直線の通路ならI型・Ⅱ型、角に設置するならL型・U型の形状がぴったりです。
ファミリークローゼットを設置する2つのメリット

ファミリークローゼットは収納力がアップするのはもちろん、新居での生活が効率的かつおしゃれになることで人気です。ファミリークローゼットを設置するメリットを2つ紹介します。
1. 部屋が散らかりにくくなる
ファミリークローゼットを設置すれば、衣類や小物の定位置を決められます。家族全員が「クローゼットに収納する」習慣を付けやすく、物の出しっぱなしや脱ぎっぱなしが減るでしょう。家族の物を一つひとつ拾って戻していたママのイライラも少なくなります。
また、物であふれている家の多くは、収納に対して物の量が多過ぎることがほとんどです。収納を一まとめにすれば、我が家の物の量を簡単に把握できます。「物を減らそう」「これ以上買わないようにしよう」など、物の量をコントロールしやすくなるでしょう。
2. 家事動線・生活動線が短くなる
ランドリールームや物干しスペースとファミリークローゼットを隣接させれば、家事動線がスムーズになります。衣類の洗濯・乾燥・収納までが短時間で行えるようになり、家事の時短につながります。
一方、ファミリークローゼットを洗面所やダイニングに隣接させれば、朝の身支度であちこち移動する必要がありません。洗顔・着替え・朝食の流れがよく、忙しい朝も慌てずに済むでしょう。
ファミリークローゼットをつくるときの5つのポイント

ファミリークローゼットを設置するときは、我が家にマッチした場所・サイズ等を考える必要があります。「トレンドだから」と安易に流されず、メリットを生かせる間取りを考案しましょう。ファミリークローゼットをつくるときのポイントを紹介します。
1. ファミリークローゼットに求める役割を明確にする
ファミリークローゼットを設置するときは、「何を求めるか」を明確にしましょう。例えば、帰宅してから手洗い・着替えまでをスムーズに行いたいのであれば、洗面所とファミリークローゼットは近くなければなりません。
一方、洗濯した後の片付けを楽にしたいのであれば、物干しスペースからの距離が近い方がよいでしょう。
2. 将来を見据えて広さを確保する
家族の人数が多い場合は、当然ながら広いスペースが必要です。現在子どもが小さい家庭は、子どもが大きくなった後まで考えてスペースを確保しましょう。
子どもが大きくなってくると、必要な物も増えてきます。自分たちのライフスタイル・ライフステージを考えて、余裕のあるスペース確保が必要です。
3. 家のサイズとのバランスを考える
家の収納量を考えると、「ものすごく広いファミリークローゼットが必要」と感じるかもしれません。しかし、ファミリークローゼットで多くのスペースを消費すると、他のスペースにしわ寄せが行く可能性があります。
ファミリークローゼットが設計の中心にならないよう、家全体のバランスを考えることが必要です。
家庭によってはスペースの問題から、十分な広さを確保できないこともあるかもしれません。この場合は、収納量をコントロールしたりデッドスペースを生かす収納をしたりして、カバーしていくのがベターです。
4. 湿気対策について考えておく
洗面所や洗濯場所にファミリークローゼットを隣接させた場合、クローゼット内部が湿気やすくなります。意外と見過ごされがちですが、湿気対策も考えておきましょう。換気窓を設置する他、換気扇の取り付けもおすすめです。
クローゼット内で着替えまで行うのであれば、換気も兼ねてエアコンを設置してもよいかもしれません。
5. ファミリークローゼットの形状は広さに合わせる
ファミリークローゼットにはI型・Ⅱ型・L型・U型がありますが、2畳程度の省スペースなクローゼットにはI型・L型がおすすめです。壁の両面を使う収納は、3畳以上のスペースを確保できる場合にしましょう。
壁の両面に棚を設置すると、収納力は上がりますが身動きが取りにくくなります。服を出したり収納したりするとき、ストレスを感じるかもしれません。ファミリークローゼットは収納力も大切ですが、使いやすさにこだわることも重要です。
ファミリークローゼットにおすすめの間取りアイデア

ファミリークローゼットを設置する際は、家事動線・生活動線を考えて、我が家のニーズにマッチした場所を選びましょう。クローゼット設置におすすめの間取りアイデアを紹介します。
1. 2階に設置して収納力を確保

家族の部屋が2階に集中している場合は、ファミリークローゼットを2階にすると使いやすくなるでしょう。特に子どもが小さい家庭は、親の手伝いが欠かせません。子ども部屋と主寝室の間にファミリークローゼットを配置すれば、親と子どもが1度に着替えを終えられます。
また2階は1階と比較して自由度が高く、クローゼット用のスペースをより広く確保しやすくなります。布団・毛布等もまとめて収納すれば、物の管理も容易です。
2. 1階に配置して「家事楽」を実現
ママの家事効率を上げたい場合は、ママの滞在時間が長い1階にファミリークローゼットを置くと便利です。家族に必要な物を1カ所に集めておけば、わずかな移動ですぐに取り出したりしまったりできます。
クローゼット用スペースを大きく確保できれば、普段使いの小物から季節のアイテムまで、まとめて管理しやすくなるでしょう。
もしファミリークローゼットの間取りにお悩みの場合は、完全自由設計の住まいを納得のいく価格でご提供する、「北辰工務店」にご相談ください。豊富な経験・ノウハウで、ご家庭に最適なファミリークローゼットをご提案します。