戸建賃貸経営のメリット5選!成功するための土地・物件の選び方
これから不動産投資を始めようと思っているなら、戸建賃貸経営を始めるのも選択肢の一つです。ただ、戸建賃貸経営と言っても本当にリスク管理や収入面などで心配しなくても大丈夫なのか、いろいろと気になることも多いのではないでしょうか?

戸建賃貸経営には様々なメリットがあるので始める価値は十分にありますが、当然ながらデメリットもあります。そこで今回は、戸建賃貸経営のメリットやデメリット、土地や物件の選び方について解説していきます。
目次
戸建賃貸経営とは?アパート経営との違いも紹介
戸建賃貸経営の東京・埼玉・千葉の利回り相場
戸建賃貸経営にかかる初期費用は?内訳・具体例を紹介
戸建賃貸経営の初期費用を抑える2つのポイント
戸建賃貸経営で失敗しない方法
戸建賃貸経営に関するよくある質問
戸建賃貸経営とは?アパート経営との違いも紹介
戸建賃貸経営とは所有する一戸建てを貸し出し、入居者からの家賃収入を得ることです。戸建賃貸経営は、空き家となっている物件を貸し出す、投資用の一戸建てを新しく購入する、所有する土地に一戸建てを新築して貸し出すといった方法で始められます。
戸建賃貸経営は、海外転勤などで引っ越すことになった、親の一戸建てを相続することになったが自分では住まないなどの場合にも適しています。
売却するのも手段の一つですが、大切な家を簡単には手放せない、将来的には自分が住むかもしれないという場合は、賃貸に出すことを検討すると良いでしょう。
戸建賃貸経営とマンション・アパート経営の違い
戸建賃貸経営はマンション経営やアパート経営と比較すると、コストを抑えて始められます。マンションやアパートの経営を始める場合は、多額の費用を支払って建物を購入しなければなりません。部屋数が多いため、管理の手間やコストも発生します。複数の入居者への対応が必要になるだけでなく、空室が多くなり思ったように初期費用を回収できないケースもあるでしょう。
戸建賃貸経営の場合基本的には1組の家族のみが入居するため、管理の手間はそれほどかかりません。すでに一戸建てを所有している場合は、新たに購入する必要もありません。クリーニング費用などは発生しますが、マンションやアパートの経営を始めるときのように、多額の費用はかからないでしょう。
戸建賃貸経営の東京・埼玉・千葉の利回り相場
戸建賃貸経営ではどの程度の表面利回りを期待できるのか、簡単にシミュレーションしてみましょう。表面利回りとは、建築費に対してどの程度の家賃収入を得られるか、という収益性を表す指標です。表面利回りが大きいほど、収益性の高い建物であることを意味します。
東京・埼玉・千葉の表面利回りの目安は、下表のとおりです。
<参考例>※実際の家賃や建築費用は、建設地の条件によって異なります
東京都(世田谷区) | 埼玉県(所沢市) | 千葉県(市川市) | |
家賃相場(万円) | 23.0 | 14.0 | 13.0 |
年間家賃収入(万円) | 276.0 | 168.0 | 156.0 |
建築総工費(万円)(本体工事+付帯工事) | 1,620 | 1,420 | 1,420 |
表面利回り(%) | 17.03 | 11.83 | 10.98 |
家賃相場は、各エリアの一戸建て(3LDK・4K・4DK)の平均賃料を示しています。(※)
建築費は、一般的なハウスメーカーに一戸建ての建設を依頼したときの相場です。家賃相場と建築総工費をもとにして、表面利回りは以下のように計算されます。
表面利回り(%)=(年間家賃収入 ÷ 建築総工費)× 100
このシミュレーションにおいては、表面利回りは10〜17%程度という結果になりました。今回は土地の価格を考慮していないため、高めの表面利回りになっています。あくまで一例として戸建賃貸経営を始めるための参考にしてください。
現実的には、管理費や保険料など、戸建賃貸経営に関するさまざまな費用を考慮に入れた「実質利回り」を計算しておくことが大切です。次の項目では、戸建賃貸経営において発生する費用について、詳しく見ていきましょう。
戸建賃貸経営にかかる初期費用は?
内訳・具体例を紹介

状況によっても異なりますが、戸建賃貸経営を始めるためには、一般的に以下のような初期費用がかかります。
1. 建築費
一戸建てを新築して賃貸経営を始める場合は、建築費が発生します。建築費は、依頼する業者や家の規模によって異なりますが、一般的なハウスメーカーに依頼する場合は、1坪あたり50〜90万円の前後の費用がかかるでしょう。内装や設備にこだわった注文住宅を建てる場合は、さらに建築費が発生するケースもあります。
2. リフォーム費・修繕費
所有している一戸建てを活用して賃貸経営を始める場合、建築費はかかりませんが、状況によってはリフォームや修繕をしなければなりません。内装や外装が極度に劣化していたり、設備が古くなっていたりすると、なかなか入居者が決まらない可能性もあります。長期間、空き家になっていた場合は、意外な部分が劣化しているケースもあるため注意が必要です。
リフォームや修繕の費用は、劣化状況によって大きく異なりますが、10〜100万円程度かかることを想定しておくと良いでしょう。大きな劣化がない場合は、簡単なクリーニングのみを実施すれば問題ありません。
3. 火災保険料・地震保険料
賃貸経営を始めるなら、火災保険や地震保険に加入しておくことも重要です。保険に加入しておけば、万が一、災害が発生したときに補償を受けられ、壊れた部分を修理したり改築したりできます。入居者にも安心してもらえるため、空室リスクを抑えられるでしょう。
保険料は、保険会社や補償内容によって大きく異なります。複数の保険を比較したうえで、無理のないものを選ぶことが大切です。
4. 各種の事務処理費
一戸建てを建築したり購入したりするときは、印紙代や登記費用など、さまざまな事務処理費が発生します。印紙代は、契約書に貼る収入印紙の費用です。契約金額によって異なりますが、一戸建ての場合は5,000〜2万円程度かかるでしょう。
一戸建てを建築した場合は、登記の手続きもしなければなりません。登記手続きは司法書士に依頼するケースが多く、報酬も含めて15〜30万円程度の費用が発生するでしょう。
アパートやマンションとの費用の違い
戸建賃貸経営の場合、アパート・マンション経営ほどの初期費用は発生しません。アパートやマンションを建築したり購入したりすると、数千万〜数億円かかり、一戸建ての10倍程度の費用が発生するケースが一般的です。
住戸数が多いため、リフォーム費用も高くなるでしょう。契約金額が大きくなるほど印紙代は高くなるため、事務処理にかかる費用も高くなります。コストを抑えて賃貸経営を始めたい場合は、一戸建ての活用を検討すると良いでしょう。
戸建賃貸経営の初期費用を抑える2つのポイント

初期費用を抑えて戸建賃貸経営を始めたい場合は、デザインにこだわりすぎない、賃貸経営に詳しい業者に相談するなどのポイントに注意しましょう。
以下、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1. デザインにこだわりすぎない
戸建賃貸経営の初期費用を抑えるためには、内装や外装のデザインにこだわりすぎないことが大切です。細かい装飾を付けたり、壁紙や床の素材にこだわったりするほど、建築費は高くなってしまいます。
特殊なデザインは好みが分かれるため、せっかく費用をかけたのに入居者が集まらないというケースもあるでしょう。
所有する一戸建てをリフォームする場合も、無理にデザインにこだわる必要はありません。シンプルな素材や形状を意識して、費用を抑えつつ誰もが住みやすいと感じるデザインにすることが重要です。
2. 戸建賃貸経営に詳しい業者に依頼する
戸建賃貸経営に詳しい業者に相談することも、初期費用を抑えるポイントの一つです。一戸建ての建築技術はもちろん、賃貸経営のノウハウを保有している工務店もあります。賃貸経営に適した間取りや規模なども相談できるため、無駄な費用をかけずに収益性の高い一戸建てを建築できるでしょう。
戸建賃貸経営で最もメリットを感じる要素は?

今回、「戸建賃貸経営で最もメリットを感じる要素は?」という内容で戸建賃貸経営を始めている方100人、20代~60代の人にアンケート調査を行ってみたところ、最も多かったのは49%の「入居期間が長いので空室リスクが低い」でした。
「一般のマンションやアパートに比べると家族で入居するケースが多く、その場合なかなか引越しがしづらいと思うので、空室リスクが低いのは投資物件として魅力的。」「空室は最大のリスクと考えるので、大切です。」といった意見を持っている人が多く、空室リスクの危険性について理解しているからこそ戸建賃貸経営を行う意味があると言えるでしょう。
次に17%の「家賃相場を高く設定できる」では、「戸建賃貸経営は家賃相場を高く設定することができるのでその点はメリットだと感じています。」「比較的高い賃貸料を継続的に得ることができるので、戸建賃貸経営に魅力を感じています。」と答えていました。
次に15%が「節税効果が期待できる」という回答になっています。「戸建をできるだけ安く貸せば喜ばれます。その行為が節税に繋がれば嬉しいです。」との意見が挙げられています。
次いで12%が「利回りが良い」という回答で、「建築費用が比較的低価格でできますので、マンション等よりも利回り面でメリットを感じます。」と答えていました。
最後は7%が「立地に左右されにくい」という回答で、「立地の良い場所は土地の値段も高いと思うので、立地に左右されにくいことはメリットだと思います。」という意見がありました。
戸建賃貸経営にはデメリットもある?
戸建賃貸経営には様々なメリットがありましたが、当然デメリットもあります。まず大きなデメリットとして挙げられるのが、一度空室になってしまうと長期間誰も入居してくれない可能性があることです。マンションやアパートであれば一人暮らしでも家族でも手軽に引っ越せますが、比較的高い家賃相場、後々の引越しの手間など様々なことを問題する人もいます。
特に引越しの繁忙期になっても戸建に引っ越してくる人がいなかった場合、長期間空室になっていることも珍しくありません。家賃収入がないまま戸建のメンテナンスに追われることもあるでしょう。
メンテナンスやリフォーム費用が高くなりやすいのも大きなデメリットです。アパートやマンションと違って家自体が大きいため、外観や内装、設備など様々な点で修復・改善しなければならないところが山積する可能性があります。
長期間住んでくれるのは大きなメリットがあるものの、いざ空室になった時に大変な費用が必要になるので注意が必要です。さらに、隣人トラブルにならないと決まったわけではありません。
確かにアパートやマンションと比べると隣家との距離が離れているのでトラブルになりにくいと言えますが、絶対にトラブルにならないわけではありません。こうした隣人トラブルにも気を使わなければならないでしょう。
戸建賃貸経営で失敗しない方法
戸建賃貸経営を成功させるためには、ランニングコストを把握しておく、大きすぎる一戸建ては避けるといったポイントを意識しましょう。
以下、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1. ランニングコストを把握して賃料を設定する
戸建賃貸経営を始めるなら、初期費用だけではなくランニングコストが発生することも把握しておきましょう。主なランニングコストとしては、物件の管理を委託するときの管理手数料や、住宅ローンの返済費用などが挙げられます。
建物の劣化が進んできた場合は、継続的に修繕を行ったり設備を入れ替えたりしなければなりません。ランニングコストを把握した上で見合った賃料を設定しなければ、初期費用をうまく回収できないケースもあるため注意しましょう。
2. 大きすぎる一戸建てを建築するのは避ける
賃貸経営用に新築するなら、大きすぎる一戸建てを計画するのは避けましょう。当然ですが、規模が大きくなるほど建築費が高くなるため、初期費用の回収に時間がかかってしまいます。賃料を高く設定することになるため、入居者が見つからない可能性もあるでしょう。
エリアによっては、小規模な一戸建てが好まれるケースもあります。2〜3人家族向けの一戸建てなら、建築費や空室リスクを抑えつつ、効率的に初期費用を回収できるでしょう。
戸建賃貸経営に向いている土地や物件の選び方とは?
戸建賃貸経営で成功したいなら、戸建賃貸経営に向いている土地や物件を選ぶのが得策です。
戸建賃貸経営において重要なのは、アパートやマンションなら活用できない土地を活用することです。
特に重要視したいのは、
・狭い土地
・条件が悪い土地
・アパート供給が多い土地
以上の3つです。アパートやマンションなら狭すぎて建設できない土地でも、戸建なら建てられるのであれば十分有益な戸建賃貸経営ができると言えます。狭くても15坪以上、広ければ最低でも30坪以上確保できる土地であれば問題ありません。
ポイントは有効部分に戸建が建てられるかどうかです。地型や方位が悪いと悪条件の土地でも、自由度が高い戸建であればそれらを解消しつつ住みやすい戸建が建てられます。さらに、アパートの供給が過剰になっているエリアも、戸建住宅に住みたいという人が現れやすくなります。アパート経営の場合、周辺に似たようなアパートが乱立しているせいで他のアパートに流れてしまう恐れがあるでしょう。
しかし、戸建賃貸経営であれば戸建のメリットが活かせるので、アパートが乱立していても問題なく経営できる可能性があります。
物件を選ぶ上で重要視しておきたいのは、「建築費を下げるためにシンプルな間取りにすること」「家賃が高くなって入居率が下がるのを防ぐために3LDKまでに抑える」「南向きのリビングにする」です。
戸建賃貸経営に関するよくある質問
ここでは、戸建賃貸経営に関するよくある質問を紹介します。
駅から遠くても大丈夫?
駅から離れていても問題ありません。戸建賃貸を選ぶ人の中には車を所有している人も多く、駅から離れていても駐車場が付いている、近隣の駐車場を安く借りられるといった点を重視して物件を選ぶケースもあります。駅から離れた静かなエリアでゆっくり子育てをしたい人も多くいます。
旗竿敷地でも活用できる?
土地の形状に左右されにくいことは、戸建賃貸経営の大きなメリットです。アパートなどの大きな建物とは異なり、一戸建ての場合は、変形した敷地やL型の敷地でも有効に活用できます。
戸建賃貸経営を始めるなら北辰工務店へご相談ください!
本記事では、戸建賃貸経営の概要や初期費用などを紹介しました。
戸建賃貸経営は、所有する一戸建てを有効活用する方法の一つです。しっかりと準備をしておくことで継続的な家賃収入を得られるため、投資を始めたい人や、住んでいない家を活用したい人は、ぜひチャレンジしてみましょう。
戸建賃貸経営を検討しているなら、北辰工務店へご相談ください。一戸建ての建築はもちろん、土地活用の方法や入居者の募集まで、トータルにサポートいたします。具体的な事例をもとに、賃料設定などもご提案できますので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
戸建賃貸経営はアパートやマンション経営にはないような様々なメリットがあります。物件投資を行うのであればたくさんの家賃収入が得られるアパートやマンション経営の方がいいと思うかもしれませんが、空室リスクが高いことを考えると長期的に住んでくれる戸建の方が良いというのも納得できますよね。
家族で広い部屋に住むことを想定するなら家賃相場を高く設定しやすいのも大きなポイントですし、十分検討する価値があるでしょう。とはいえ、一度空室になったら長期間入居してくれない可能性があるとなると、とても楽観視することはできません。戸建賃貸経営を始めるなら、メリットだけでなく土地や物件の選び方のポイントやデメリットについて学ぶのがとくさくです。これから戸建賃貸経営を始めようか検討しているなら、ぜひ参考にしてみてください。