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2026.05.01.Fri
ファミリークローゼットとは? メリット・デメリットや後悔しないポイントを解説
注文住宅でおすすめの収納設備の一つにファミリークローゼットがあります。設置場所や内容を工夫することで、より快適な住まいを実現できる収納設備です。
本記事では、ファミリークローゼットの概要やメリット、デメリットを解説します。また、ファミリークローゼットで後悔しないためのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ファミリークローゼットとは?
ファミリークローゼットとは、家族全員の衣類や小物を一カ所に集約できる共用クローゼットのことです。ファミリークロークとも呼ばれます。
ファミリークローゼットは、リビングや洗面室などと隣接させることで日常生活や家事の動線を短縮できることが魅力です。玄関近くに設置するのであればアウターや帽子を、洗面室近くなら下着やタオルをまとめて収納しておくと便利に使えるでしょう。
ファミリークローゼットの種類は次の通りです。
- 出入口が1カ所で一部屋のように使うウォークインタイプ
- 2カ所の出入口で通り抜け可能なウォークスルータイプ
それぞれに合わせた棚の配置型があり、収納量や必要なスペースが異なります。ファミリークローゼットは家族全体の収納を担うため、家全体の収納計画において重要な役割を果たすといえるでしょう。
ファミリークローゼットのメリット
ファミリークローゼットを設置するメリットは、次の通りです。
- 部屋を広く使える
- 家事動線をスムーズにできる
- 生活動線をスムーズにできる
- 各部屋が衣類で散らかりにくい
- 好きな内装を楽しめる
それぞれ詳しく解説します。
部屋を広く使える
各部屋に分散していた収納スペースをファミリークローゼットに集約すれば、個室の収納面積を大幅に削減できます。そのため、子ども部屋を広々と遊べる空間にしたり、寝室に書斎コーナーや趣味のスペースを設けたりと、ライフスタイルに合わせた自由な空間設計が可能です。
また、リビングや個室に物が散らかりにくくなるため、常にすっきりとした居住空間を保てるのも大きなメリットです。家事スペースとくつろぎの空間を明確に分けられるため、日々の生活の質も向上します。
家事動線をスムーズにできる
ファミリークローゼットの大きなメリットとして、家事動線をスムーズにできる点が挙げられます。例えば、洗濯物を各部屋に運ぶ手間が一切なくなり、洗う・乾燥させる・アイロンがけする・たたむ・収納するまでの一連の作業が、全て一カ所で完結します。
特に、ランドリールームのすぐ隣にファミリークローゼットを配置すれば、毎日の洗濯作業を短い動線でこなせるため、家事負担を大幅に軽減できます。小さなお子さんがいるご家庭では、リビングで着替えを済ませてそのまま収納できるなど、高い利便性を享受できるでしょう。
生活動線をスムーズにできる
通り抜けが可能なウォークスルータイプでは、生活動線を大幅に短縮可能です。リビングから直接アクセスし、着替えをしてそのまま玄関へ向かえる間取りは、忙しい朝の時間帯に重宝するでしょう。
またウォークインタイプであっても、リビングの近くに配置すれば、食後や外出前にわざわざ個室に戻る手間が省けます。無駄な動きが減り、日々の生活がよりスムーズなる点は魅力的です。
家族の生活パターンに合わせたファミリークローゼットの配置は、日々のストレスを軽減し、より快適な住まいを実現するための鍵となります。
各部屋が衣類で散らかりにくい
ファミリークローゼットを設けると、家族全員の衣類や荷物を一カ所にまとめて管理でき、着替えの場所も集約できます。その結果、リビングや各部屋に服が散らかるのを防ぎ、いつでもすっきりとした空間を維持しやすくなるでしょう。
家族全員の衣類をまとめて収納することで、各部屋の収納スペースも削減でき、その分居室を広く使えるというメリットも生まれます。ファミリークローゼットは、家全体の片付けやすさに貢献し、ゆとりのある快適な住空間を実現するポイントとなるでしょう。
好きな内装を楽しめる
ファミリークローゼットは、他の部屋とは異なる自由な内装を楽しめる点が大きなメリットです。
一般的に、リビングやダイニングといったLDK空間は来客の目にも触れるため、家全体の統一感を意識した内装を選ぶことが多くなります。一方、ファミリークローゼットは家族だけが使うプライベートな空間なので、外からの視線を気にせず、自分たちの好みや遊び心を取り入れたデザインに自由に挑戦できます。
リビングには派手すぎると感じるような個性的な壁紙や、普段は取り入れられない大胆なカラー、あるいはユニークな照明なども試しやすいでしょう。お気に入りのアイテムをディスプレイするスペースとして活用するなど、まさに自分たちだけの特別な空間を創造できます。
ファミリークローゼットのデメリット
一方、ファミリークローゼットには、以下のようなデメリットもあります。具体的なデメリットは次の通りです。
- 一定のスペースが必要になる
- 各居室との行き来が必要になる場合もある
- プライバシーの確保がしにくくなる
- 湿気や臭いがこもりやすくなる
それぞれの点について説明を加えます。
一定のスペースが必要になる
ファミリークローゼットの導入には一定のスペースを確保しなければなりません。ファミリークローゼットは家族全員分の衣類や小物を集約するため、ある程度の広さが必要となります。
特に、利便性を考慮してリビングや水回り、玄関といった主要な生活空間と同じ階に設ける場合、スペース確保が課題となることがあります。ファミリークローゼットの広さを優先すると、LDKなどの居住空間が狭くなってしまうケースもあるでしょう。
そのため、全体のバランスを見ながら、他のスペースとの兼ね合いを慎重に検討することが重要です。
各居室との行き来が必要になる場合もある
ファミリークローゼットでは、各居室との行き来が発生する可能性がある点に注意しましょう。家族それぞれが寝室や子ども部屋で着替えたい場合、ファミリークローゼットまで衣類を取りに行く動線が発生します。通勤・通学前など、利用が集中する場面では、動線が交錯してしまう可能性も考えられます。
ファミリークローゼットで着替えも完結させる想定であれば、十分な広さを確保することが重要です。もしスペースに限りがある場合は、家族ごとに収納エリアを分けて、衣類を取り出しやすくする工夫が必要になります。
プライバシーの確保がしにくくなる
ファミリークローゼットでは、プライバシーの確保が難しいというデメリットもあります。家族全員の衣類や小物を集約するため、個人の持ち物が他の家族の目に触れることになるためです。
特に思春期の子どもがいる家庭では、プライバシーが守られにくいと感じ、自分の部屋に物をしまいたがるかもしれません。また、家族が同じ場所で身支度や着替えをすることに抵抗を感じるケースも考えられます。
ファミリークローゼットの導入を検討する際は、家族構成やライフスタイル、将来的な変化を考慮した上で、プライバシーと利便性のバランスをどのように取るかを事前に検討することが重要です。
湿気や臭いがこもりやすくなる
ファミリークローゼットでは、湿気や臭いの対策が不可欠です。密閉されがちなクローゼット内部は湿気がこもりやすく、カビの発生や衣類のダメージ、家族の健康に影響を及ぼす恐れがあります。
特に、頻繁に洗濯できないアウターや小物類は、臭いがこもりやすく、他の衣類へ移ってしまうリスクもあります。
設計段階からの対策として、室内の湿度を適切に保つ調湿建材の採用や、効果的な換気扇の設置を検討しましょう。また日常的な対策として、定期的な換気を心掛け、窓を開けて空気の入れ替えを行うことも大切です。
ファミリークローゼットの設置場所
実際にファミリークローゼットを設置する場合、どこに設置すれば良いのでしょうか。具体的には、次の場所がおすすめです。
- ランドリールーム・洗面脱衣室
- リビング・ダイニング
- シューズクローク・玄関
それぞれ詳しく解説します。
ランドリールーム・洗面脱衣室の隣
ファミリークローゼットを洗濯や洗面をする部屋の隣に作ると、毎日の洗濯がとても楽になります。脱いだ服を洗って乾かし、そのままファミリークローゼットにしまえるので、家事の時間を大幅に減らせます。
リビング・ダイニングの隣
毎日の生活動線をスムーズにしたい場合は、リビングの隣にファミリークローゼットを設置する間取りがおすすめです。
通常、食事後に各自の部屋に戻って着替えをする手間がありますが、リビング・ダイニングにファミリークローゼットが隣接していれば、リビングで過ごした後にそのままファミリークローゼットで身支度を整え、スムーズに玄関へ向かうことができ、外出までの動線が良くなります
特に朝の忙しい時間帯や家族全員で出かける際には、無駄な移動を減らせることで時間に余裕が生まれ、慌ただしい毎日でも心にゆとりを持ちやすくなるでしょう
シューズクローク・玄関の隣
玄関やシューズクロークの隣にファミリークローゼットを配置すれば、外出や帰宅時の動線がスムーズになります。外出前にコートや帽子をさっと取り出せるため、忘れ物を取りに戻ることがなくなり、また急な天候の変化にも対応しやすいでしょう。
帰宅時には玄関隣のファミリークローゼットで着替えることで、花粉やホコリ、ウイルスなどをリビングや他の居室に持ち込むのを防げます。洗面スペースを近くに設ければ、帰宅後の手洗いもスムーズになり、衛生面でも安心です。
ファミリークローゼットで後悔しないためのポイント
ファミリークローゼットを設置する場合、次のポイントを意識することが大切です。
- 収納する物の量に合わせてスペースを決める
- 家族の希望に合わせて間取りを決める
- ファミリークローゼットのタイプとレイアウトを決める
- ディテールの設計をしっかり行う
- 将来的な使い方も考慮する
それぞれの点について詳しく解説します。
収納する物の量に合わせてスペースを決める
ファミリークローゼットで後悔しないためには、まず収納する物の量を具体的に把握することが重要です。ファミリークローゼットには衣類だけを収納するのか、それともバッグや小物、オフシーズンの寝具なども収納するのかを明確に定めます。その上で、将来的に家族が増える可能性や、子どもの成長による衣類の増加なども考えて、必要なスペースを算出することが大切です。
レイアウトやスペースの広さによって収納量は大きく変わるため、具体的な収納物をリストアップし、それに合わせた適切な広さを検討することが成功の鍵です。
家族の希望に合わせて間取りを決める
ファミリークローゼットで後悔しないためには、家族全員の希望と実際の暮らしに合わせた間取りを考えることが大切です。
一般的な4人家族で約3畳が目安とされますが、収納量や使い方によって適切な広さは変わります。また家族の利用が集中する時間帯に使いにくくないか、回遊動線が機能するかなど、動線計画も十分に検討してください。
設計者との綿密な打ち合わせを通じて、どの時間帯に・誰が・どのような動きをするのかを具体的に共有することで、家族の暮らしにフィットする最適な収納空間が実現できます。
ファミリークローゼットのタイプとレイアウトを決める
ファミリークローゼットには、ウォークインタイプとウォークスルータイプがありますが、一部屋として利用して収納量を最大限に確保したい場合はウォークインタイプ、通路としても活用し、効率的な動線を重視するならウォークスルータイプが適しています。
また、収納する物の量や大きさに合わせて、U型やL型といった棚のレイアウトを選ぶことも大切です。通路を兼ねるウォークスルータイプで3方向からのアクセスを可能にすれば、4畳程度の広さでもLDKや寝室のスペースを圧迫せずに十分な収納力を確保できます。
ディテールの設計をしっかり行う
ファミリークローゼットのディテール設計にもこだわりましょう。家族それぞれの目的やライフスタイルを明確にして、適した配置と機能性を追求することが重要です。
例えば「外出や帰宅をスムーズにしたい」「洗濯物の収納を楽にしたい」など、日々の生活や家事で優先したい点を家族で話し合えば、ランドリールームや玄関、リビングなど、どの部屋と連結させるべきかが見えてくるはずです。
家族の動きをシミュレーションし、細部までこだわり抜くことで、後悔のない快適な収納空間が生まれるでしょう。
将来的な使い方も考慮する
5年後、10年後に後悔することがないようファミリークローゼットの将来的な使い方についても考えておきましょう。家族構成やライフスタイルの変化を見据えた計画で、長く快適に使える空間を目指すことが大切です。
将来的に子どもが増える可能性があれば、その分の収納量を見越して広さを確保してください。一方で、子どもの独立によりファミリークローゼットの必要性が変化する可能性も考慮しておきたいところです。
ライフステージの変化に対応できるよう、クローゼットとしてだけではなく、書斎や趣味の部屋、家事室など、他の用途にも転用しやすい汎用性の高い設計にしておくことをおすすめします。
ファミリークローゼットでよくある質問
最後に、ファミリークローゼットでよくある質問に回答します。
使用人数ごとの必要な広さは?
一般的な目安は次の通りです。
- 2人家族:約2畳(洋服150~200着)
- 3人家族:約2〜5畳(洋服200~250着)
- 4人家族:約3〜5畳(洋服250~300着)
- 5人家族:約5〜4畳(洋服300〜350着)
洋服以外のタオルやアウトドア用品なども収納したい場合は、さらに広さが必要です。
ウォークインタイプとウォークスルータイプではどちらが良い?
ウォークインタイプは、出入口のある壁以外を全て収納に使えるため、空間を効率よく活用できますが、動線は一方向に限られます。
一方、ウォークスルータイプは出入口が2カ所以上あり、通り抜けられるのが特徴で、生活動線を短縮できます。ただし、通路が必要になる分、壁面収納の面積が減るため、収納効率とのバランスを考えることが大切です。
収納量、動線、そして間取り全体のバランスを考慮して決定しましょう。
ファミリークローゼットは後付けできる?
ファミリークローゼットの後付けは、スペースさえ確保できれば後付けは可能です。ただし、ウォークスルータイプは、2方向以上の通路が必要となるため、場合によっては大規模な間取り変更が必要になります。
リノベーションでファミリークローゼットを検討する際は、希望するタイプと既存の間取りとの兼ね合いを検討しましょう。
まとめ
ファミリークローゼットを取り入れることで、住まいの収納を一つにまとめつつ、効率的な動線を実現できます。ただし、快適に使うためには、事前にしっかりと収納や動線の計画を建てておくことが重要です。
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