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住宅コラム

ビルトインガレージがある三階建ての価格は? 建てる際の注意点も解説

ビルトインガレージがある三階建ての価格は? 建てる際の注意点も解説

狭い住まいでも駐車スペースを確保でき、さまざまな用途に活用できるビルトインガレージは、注文住宅設計で注目されやすい設備の一つです。

本記事では、ビルトインガレージがある三階建ての住宅の価格について解説します。また建築時のメリットやデメリット、注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ビルトインガレージとは?

ビルトインがレージとは、建物の一部に駐車スペースを組み込んだガレージのことで、インナーガレージとも呼ばれています。車やバイクを屋内に駐車できるスペースで、屋外駐車場やカーポートとは異なり、周囲が壁で囲われているのが特徴です。

シャッターや引き戸を設置することで、愛車を外部の視線や天候から守り、より安全に保管できます。また限られた土地を有効活用できるだけではなく、暮らしにさまざまな価値をもたらすとして、注目されている設備です。

単に駐車スペースとしてだけではなく、屋内から愛車を眺めることができるため、車好きにとっては特別な空間となります。また、土地の有効活用に加えて、趣味の空間やアウトドア用品の収納、雨天時の子どもの遊び場など、多目的な利用が可能です。

ビルトインガレージのある三階建ての価格

注文住宅にビルトインガレージを取り入れると、駐車スペースを確保できるだけではなく、収納や趣味のスペースとしても活用できる点が魅力です。では、3階建てでビルトインガレージを設ける場合、価格はどの程度になるのでしょうか。

ビルトインガレージの建築費用の目安は、坪単価50万~80万円が目安といわれています。

この坪単価を基に、車2台分のビルトインガレージに必要な8〜10坪のスペースで概算すると、総費用は400万~800万円程度となります。

また、駐車台数別に見た価格相場は次の通りです。

  • 1台:200万~400万円(4~5坪)
  • 2台:400万~800万円(8~10坪)
  • 3台:800万~1,200万円(15~20坪)
  • 4台:1,000万~1,600万円(83~99坪)

これらの費用が、ガレージ部分の費用として建物全体の価格に加算されます。

例えば、居住スペースが30坪の3階建てに2台分のビルトインガレージを設ける場合、居住スペースの価格相場である2,000万円前後にガレージ部分の価格相場(約400万〜800万円)を合算すると、全体で2,400万~3,000万円程度と推算できます。

ビルトインガレージのある三階建てのメリット

ビルトインガレージのある三階建ての住宅を建てるメリットは次の通りです。

  • 狭小地でも駐車スペースを作れる
  • 車の盗難やいたずらなどの被害に遭いにくい
  • 雨の日でも車への乗り入れや荷物の出し入れが楽
  • 駐車スペースの他にもさまざまなシーンで活用できる
  • 毎月の駐車料金がかからない
  • 容積率の計算から除外される

それぞれ詳しく解説します。

狭小地でも駐車スペースを作れる

ビルトインガレージの大きなメリットは、限られた敷地を活用して、狭小地でも駐車スペースを確保できる点です。建物の内部に車を格納することで、ガレージの真上を居住空間として利用でき、敷地全体を有効活用しながら広い生活空間を確保できます。建物の外に駐車スペースを設ける場合と比べて、より多くの居住スペースを生み出せるため、土地の購入費用を抑えつつ、必要な駐車スペースと十分な広さの居住空間の両方を手に入れられます。

都市部で広い土地の確保が難しい状況において、ビルトインガレージのある3階建ては、コストを抑えながらも理想的な住まいを実現する選択肢となるでしょう。

車の盗難やいたずらなどの被害に遭いにくい

ビルトインガレージは優れた防犯性があり、愛車を大切に保管したい方にとって大きなメリットとなります。

屋外の月極駐車場での車の保管は、不特定多数の人の目に触れるため、盗難やいたずらのリスクが常に付きまといます。一方、ビルトインガレージなら、外部からの侵入や不審な行動から愛車をしっかりと守れるため、大きな安心感を得られるでしょう。

また、自宅の敷地内に駐車スペースを確保できれば、愛車を風雨や紫外線から守り、劣化を防ぐことも可能です。

雨の日でも車への乗り入れや荷物の出し入れが楽

ビルトインガレージは、雨の日でもストレスなく車への乗り降りや荷物の出し入れができる点も大きなメリットです。小さな子どもを抱えたり、大きな荷物を持っていたりなど、両手がふさがっていても濡れずに車に乗り降りできます。

買い物帰りの重い荷物も、ガレージから直接室内へ運び込めるため、雨の中を移動する手間が省ける他、ガレージのそばにパントリーや倉庫を配置すれば、食料品やアウトドア用品などの出し入れがスムーズになり、日々の暮らしがより便利になる点も見逃せません。

駐車スペースの他にもさまざまなシーンで活用できる

ビルトインガレージは、駐車スペースとしての役割を超え、さまざまな活用が可能な多機能空間として注目されています。

ビルトインガレージは屋根に守られているため、天候に左右されず活用できるのが魅力です。例えば、直射日光を気にせず家庭用プールを出して子どもが水遊びをしたり、雨の日でも趣味のDIYに没頭したりできます。

また車を停めていない場合は、プライベートなアウトドア空間として活用可能です。BBQを楽しんだり、友人を招いてホームパーティーを開いたりと多目的に使えます。

ビルトインガレージは単なる駐車スペースに留まらず、家族のライフスタイルに合わせて柔軟に変化する、価値ある空間となるでしょう。

毎月の駐車料金がかからない

注文住宅にビルトインガレージを導入した場合、月々の駐車料金が不要になる経済的メリットを享受できます。都心部で月額数万円に及ぶ駐車料金を考えた場合、長期的に大きな節約が可能です。

初期費用としてビルトインガレージの設置費用は発生しますが、数十年単位でかかる駐車場代と比較すれば、トータルコストで割安になるケースは少なくありません。例えば、月3万円の駐車場代が30年間で1080万円となることを考えると、ビルトインガレージの費用対効果は高いといえるでしょう。

容積率の計算から除外される

注文住宅を建てる際の容積率の計算に含まれないことも、ビルトインガレージを導入するメリットです。

ビルトインガレージは、床面積の一部が容積率の計算から除外されるという特例があり、延床面積の5分の1を限度として、ガレージ部分を除外して容積率を計算できます。

例えば、容積率150%で敷地面積100㎡の土地の場合、通常は延床面積150㎡が上限です。しかし、ビルトインガレージを30㎡設ければ、その5分の1に当たる6㎡が除外され、結果として延床面積156㎡までの家を合法的に建てられます。

居住スペースを広げつつ、必要な駐車スペースを確保できるのは、ビルトインガレージの魅力の一つです。ただし、地域により条件が異なる場合があるため、あらかじめ確認しておきましょう。

ビルトインガレージのある三階建てのデメリット

一方、ビルトインガレージのある三階建ての住宅にも、いくつかのデメリットが存在します。具体的には次の通りです。

  • 費用が高くなりやすい
  • 居住のスペースが狭くなる可能性がある
  • 騒音や振動が響きやすくなる可能性がある
  • 階段移動の多い生活動線になりがち

それぞれ詳しく解説します。

費用が高くなりやすい

注文住宅でビルトインガレージを検討する際、費用が高くなる傾向があることを理解しておきましょう。

3階建ての建物は、建築基準法により構造計算が義務付けられており、数十万円程度の費用が発生します。またビルトインガレージの設置費用が加わるため、全体の建築コストは割高になるのが一般的です。

また、ビルトインガレージは1階部分に大きな開口部を設ける必要があり、特に2台以上の車を並列駐車する場合は、さらに開口部が大きくなります。建物の耐久性や耐震性を確保するための補強工事が不可欠となるため、その分の費用もかかります。

居住のスペースが狭くなる可能性がある

居住スペースが狭くなる可能性があるのも、注文住宅でビルトインガレージを選択した場合のデメリットです。

ビルトインガレージは通常、1階の大部分を駐車スペースとして占めるため、その分、居住空間が削られます。3階建てにしたとしても、ビルトインガレージがない場合と比較すると、総床面積に対して居住スペースが相対的に狭くなってしまうのです。特に家族の人数が多い場合、必要な部屋数を確保しにくいケースもあるでしょう。

ビルトインガレージを採用しつつ、居住スペースをしっかり確保したい場合は、効率的な間取り設計が不可欠です。例えば、2階と3階にトイレを設置して利便性を高めたり、ガレージの近くにパントリーやキッチンを配置して家事動線を最適化したりするなど、工夫が必要になるでしょう。

騒音や振動が響きやすくなる可能性がある

騒音や振動が居住空間に響きやすいのも、ビルトインガレージを採用するデメリットです。

特に木造や鉄骨造の建物では、ガレージ内のエンジン音やシャッターの開閉音、車のドアの開閉音、エンジンの振動などが室内に伝わりやすくなります。家族の生活に不快感を与える恐れがある他、隣接する住宅との距離が近い狭小地では、周囲への音漏れも懸念されるでしょう。

そのため、ビルトインガレージを導入する際は、設計段階での防音対策が欠かせません。壁や床に防音材を使用したり、シャッターの種類を選んだりして、快適な住環境を作ることが大切です。

階段移動の多い生活動線になりがち

ビルトインガレージを導入した場合、階段移動の多い生活動線になる点もデメリットです。

ビルトインガレージが1階の大部分を占める場合、リビングや水回り、個室、寝室といった主要な居住空間は2階以上に配置されるケースが多くなります。外出や帰宅のたびに階段の昇降が必要になり、日々の生活の中で階段移動が頻繁に発生します。

そのため、重い荷物を運ぶ際や、将来的に今よりも高齢になった際などに、身体的な負担となる可能性があります。設計段階でこの点を十分に考慮しないと、大きな後悔につながるかもしれません。

ビルトインガレージを建てる時の注意点

ビルトインガレージを建てる際、いくつか気を付けたいポイントがあります。具体的には、次の通りです。

  • ビルトインガレージの近くに寝室を作らない
  • 室内から直接ビルトインガレージに行ける入り口を設ける
  • 将来車を買い替える可能性を考慮した上で設計する
  • 排気ガスが充満しないように換気対策を行う

それぞれ詳しく解説します。

ビルトインガレージの近くに寝室を作らない

ビルトインガレージを採用する場合、近くに寝室を設けないようにしましょう。ビルトインガレージは、車のエンジン音、シャッター音、ドアの開閉音などが室内に響きやすい特性があるためです。せっかくの静かなプライベート空間である寝室が、これらの騒音によって妨げられてしまう恐れがあります。

そのため、音が出にくい電動シャッターの導入や、高機能な防音資材の使用など、ガレージ自体の防音性を高める対策が不可欠です。その上で、間取りの工夫として、寝室や書斎といった静けさを求める部屋は、ガレージから離れた位置や、異なるフロアに配置することを検討しましょう。

室内から直接ビルトインガレージに行ける入り口を設ける

室内から直接ビルトインガレージへアクセスできる出入口を設ければ、車からの重い荷物の出し入れが格段にスムーズになります。雨の日でも濡れることなく荷物を運べるため、買い物後やレジャーからの帰宅時に、利便性の高さを実感できるでしょう。

3階建ての住宅では、リビングや主要な生活空間が2階以上に配置されるケースが多いため、ガレージから直接アクセスする動線は、階段移動を考慮して計画する必要があります。日々の生活動線を最適化できれば、快適な住まいづくりを実現しやすいでしょう。

将来車を買い替える可能性を考慮した上で設計する

注文住宅でビルトインガレージを検討する際、現在の車のサイズだけではなく、将来的な買い替えの可能性を考慮した設計が不可欠です。ビルトインガレージの広さは、後から変更するのが難しいためです。

将来的に購入したい車種のサイズや、車の台数が増える可能性も考慮し、余裕を持った広さや高さを確保することをおすすめします。将来的なリフォーム費用を節約できるだけではなく、買い替えのたびにガレージのサイズを気にするストレスも軽減されるでしょう。

また、近年普及が進む電気自動車への乗り換えも視野に入れておきましょう。再工事の手間を省くためにも、設計段階で電気自動車用の充電コンセントの設置を検討するのがおすすめです。

排気ガスが充満しないように換気対策を行う

ビルトインガレージにおいて、排気ガス対策は重要です。密閉された空間でエンジンをかけると、排気ガスが内部に充満し、居住スペースへ流入するリスクがあるためです。

特に注意したいのは換気扇の位置です。設置場所によっては排気ガスが2階や3階の窓を通して、室内に流れ込んでしまう恐れがあります。家族の健康に悪影響を及ぼしかねないため、設計に当たって十分に配慮してもらう必要があります。

安全で快適な住環境を確保するためには、ビルトインガレージの施工実績が豊富なハウスメーカーや工務店に依頼し、適切な換気計画を立ててもらいましょう。

ビルトインガレージの活用例

前述の通り、3階建てのビルトインガレージは、駐車スペースを超えた多目的な活用が可能です。

ビルトインガレージの空きスペースを倉庫として活用すれば、2階や3階への持ち運びが難しい重い荷物や、スキー、スノーボードといった季節用品を収納でき、室内をすっきりと保てます。

広さに余裕があれば、ビルトインガレージは天候に左右されない子どもの遊び場にもなります。夏にビニールプールを置いたり、流しそうめんやバーベキューを楽しんだりするなど、半屋外のプライベート空間として、子どもたちの創造性を育む場となるでしょう。

またビルトインガレージは、趣味の空間としても活用可能です。車の整備、アウトドア用品のメンテナンス、DIY作業、プラモデル製作、書斎スペースなど、アイデア次第で自分だけの特別な空間を作り出せます。

ビルトインガレージは、単なる駐車スペースに留まらず、家族のライフスタイルや趣味に合わせて柔軟に変化する、価値ある多機能空間となるでしょう。

まとめ

ビルトインガレージは、狭小地での駐車スペースの確保や駐車場代の節約、愛車の安全な保管など、さまざまなメリットをもたらします。ただし、建築費用の増加や騒音・振動の問題、階段異動が多くなるといったデメリットも考慮して、導入の是非を検討する必要があります。

なお、埼玉県・千葉県・東京都で注文住宅を建てたい場合は、北辰工務店にご相談ください。耐震性の強い家づくりを得意としており、土地探しのお手伝いから施工、アフターサポートまで一貫して対応できます。自社大工による品質管理で、安心して注文住宅作りをお任せいただけます。ぜひ、お気軽にご相談ください